ふらっと考えた「ブランド公式リユース」の考え方

ふらっと考えた「ブランド公式リユース」の考え方

※あくまでも一個人の考えですのであしからず。

概要

ブランド公式リユースという言葉は最近よくネットや人伝いで聞きますが、これが何を意味しているのか、またブランド側の真意について深く考えたことはありませんでした。

これを機会に一度整理してみて、今時点での市場に対する自分の考えを述べてみようかと思います。

「ブランド公式リユース」とは何か

いわゆる古着屋との違い

古着屋というのはここではブランドではなく個人だったりブランドが公認していない法人によるリユース品の販売店という定義としています。

例えば西海岸とか下北にあるローカル店なんかが古着屋というイメージです。

対してブランド公式リユースはブランドが公式に管理している(ここ重要)販売店という定義としています。

例えばMH RESELL(マーガレットハウエル)などが公式リユースというイメージ。

なぜ「公式」リユースなのか

私がこういったリユース事業に関わっている関係で具体的なワークフローを間近で見ることができています。反対に、私の友人は20代前半なので、古着最盛期世代です。何人も古着屋を開業しています。

両方を見た上で「何を持ってして公式リユースか」というと、ブランドの価値観で古着を販売するというところにあると思います。

私は個人的に古着の管理や古着の値付けに大きな差が出ているなぁと感じています。ブランド公式リユースであればプロがクリーニングをして古着臭を一切感じさせない仕上がりにしており、プロがブランドの決めた評価基準で査定をして値段をつける。そうなると市場にはブランドが一次流通で作り上げた価値を毀損することなくニ次流通に回すことができるという点で優れていると考えています。

対して古着屋の優れている点はブランド関係者でないからこその状態管理があると思います。良くも悪くも古着屋は古着屋であって、別にブランド関係者ではない。なので本来価値のあるものを如何様にも値段設定できる点では自由度の高い店作りができると思います。顕著な例は「店内半額セール」です。正直ブランドに対してそんな依頼は口が裂けてもできませんし、ブランドも一切考えていないので、そういう意味ではブランドが獲得できない層を集められる古着屋にも強みはあると私は思います。

決してどちらかをディスっているわけではなく、あくまでも両者は畑の違う業種であると、私は考えています。

それぞれの歩む道

前述の通り私はブランドが作るリユースストアとブランド以外が作るリユースストアには違いがあり畑が違うと思っています。足をはこぶ(または購入する)客層を見れば一目瞭然です。

古着屋には大抵若者が多いです。それは一般に安くてかっこいい服が揃うから。本当は10,000円以上するような服が見かけ上古いし汚れているから2,000円になっていることなんでよく見ます。それが古着屋の戦略的判断なのかわかっていないからなのかは流石にわかりませんしどちらの可能性もありますが、それが古着屋のターゲットであって伸ばすべき強みだと思います。

ブランド公式リユースは、基本的に若者は来ません。大抵そのブランドの古参ファンです。それはなぜかというと圧倒的なクオリティとブランドっぽい価格設定にあると考えます。実際にクリーニングの場面や査定の場面を見学しましたが、完成した商品は古着屋のそれとは比較にならないくらい新品っぽいです。汚れはないし臭いもない。アイロンもかけるので見た目は完璧です。その代わりそれに見合った金額がつけられます。そりゃそうです。クリーニング代も査定代もあるんですから。

採算言ってますがブランド公式リユースは基本的に「ブランディング」に重きを置いていおり、安売りして売上を立てたいという思考はあまりないです。むしろECOやサステナブルの側面が大きく、一次流通品をすぐに捨てないで循環させるためにやっていることも多いです。

だからこそ古着屋の競合にはならないと思っています。今のところは。

カニバリゼーション

長い目で見たときにカニバると思います。それは古着屋側に回る在庫がなくなってくるからです。今はすぐに買い付けられる古着も20年30年したら半分くらいになってる可能性も全然あると思います。それだけブランドの環境意識が強まっています。

意義だけで言えば服が捨てられたせいでできた古着屋はブランドの落ち度であって、ブランドが作った商品がブランドの手で循環することで、そこに仲介する古着屋がいない世界がブランドの願いなのかもしれません(あくまでも私の勝手な妄想です。)

ただ私の意見としては、ブランドが全てリユースを自社で始めてももう古着屋がなくなることはないとも思います。

例えばKOMEHYOや西海岸、もっというとBOOKOFFみたいな大きい中古販売企業がいる中で、今更ブランドが改心したところでもう市場は出来上がってしまっているというのが結果論だと思っています。

またユーザーの意識ももうメルカリやヤフオクなどの手軽に出品できるところに取られているので、わざわざ郵送して査定して厳しいチェックで厳しい金額になって帰ってくるのが嫌な人も絶対いますし、それでブランド公式リユースにそもそも商品が来ないこともあるんじゃないか、など。。。

まとめ

この記事は随時更新しようかと思います。いつ私の考えが変わるかわからないからこそ、今の考えをアップデートさせていきたいと思いました。

隣の芝は青く見えるとはよく言いますが、私がブランド側にいるからこそ古着屋の戦略が羨ましいと感じたことは多々あります。私の友人もブランド公式リユースの環境に嫉妬しているという話も本当によく聞きます。

お互いがお互いを見合っているからこそ今の市場があるわけで、どちらかがなくなっても市場にとってはいけないんじゃないかと思います。切磋琢磨しあってそれぞれが強みを伸ばせるように成熟していければいいなと常感じます。

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